『 ゆれる 』
2010/04/03 18:08:59
監督: 西川美和
出演: オダギリジョー, 香川照之, 伊武雅刀, 新井浩文, 真木よう子
オダギリジョーを主演に迎え、西川美和監督が自身のオリジナル脚本で
織り成す、兄弟の絆、人と人との繋がりを描いた心を揺さぶる感動作。
オダギリジョーが演じる弟の猛は、故郷を離れ、東京でカメラマンとして成功。
一方、香川照之演じる兄・稔は実家のガソリンスタンドを継いでいる。
母の一周忌に帰った猛だが、稔、幼なじみの智恵子と出かけた渓谷で、智恵子が吊り橋から転落死してしまう。殺人容疑をかけられた兄と、彼の無実を信じる弟の関係が、ときにスリリングに、ときに不可解に、さらに衝撃と感動を行き来し、タイトルが示すように“ゆれながら”展開する骨太なドラマだ。
都会に出た者と、田舎に残る者。性格も違う兄と弟。 映画は対照的な立場を鮮やかに描きだす。
西川美和監督は、微妙なセリフで男ふたりの複雑な内面を表現し、観る者のイマジネーションをかき立てまくる。背中の演技で心情を伝える香川照之もすばらしいが、兄に対する負い目と苛立ちの両方をみせるオダギリジョーは、彼のキャリアのなかで最高の演技と言っていいだろう。
あのとき吊り橋で、何が起こったのか?
その真実も含め、さまざまな余韻を残すラストシーンは目に焼き付いて離れない。
兄弟を持つ人ならば多かれ少なかれ、ここに描かれる確執に共感してしまうはず。
家族の関係も、そして人生も、一筋縄ではいかないのだと教えてくれる名編だ。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * 以上 amazon 商品説明 から * * * * *
まだ30代という女性監督が、どのような見せ方をしてくれるのか!
すっごい楽しみにしてました。(o^-')o∠☆:
「 行間を観てほしい 」 というだけあって、俳優のセリフの無い演技力と画力が嬉しかったw
日本映画独特の 間 沈黙 自然の音のみ(音楽を多用しない)のカットが多くて好みでした。
脚本も 移りゆく心の変化、「 そんなつもりじゃなかった 」の積み重ねが、織りなされていた。
兄を庇いたいのか、陥れたいのか、殺人者の弟になりたくないだけなのか。
弟の生き方が憎いのか、弟に思いを寄せる彼女に腹が立ったのか、自分に腹が立つだけなのか。
心の真実って、1つじゃないし、変わってもいくから自分でも分からなくなる。
ましてや、刑事さんや裁判が絡むと、一体、何が事実だったのか分らなくなる。
宝石店に勤めている時、高価な品の万引きがあり、1人づつ刑事さんから事情聴取を取られた
ことがありました。
何時に何処に居て、何をしていたのか、同じ空間に居た人に気づかなかったか、
その人の人相は? 背格好は? 服装は? な~~んて聞かれても・・・・。
自分の見たことと、後から聞いたことのビジュアルと 果たしてどれが現実だったのか。
段々と情報に左右されてくる自分の記憶の曖昧さを 痛感しました。
眼の前で起こる事故。
自分の経験でいくと 2~3秒はないと 何が起こっているのか把握できない。
そして、せめて5秒ないと身体が間に合わない。
停車している私の車の前を 走って横断しようとし、対向車にはねられた少年。
道路に落ちてから ワンバウンドしてました。
電車に巻き込まれた女性。窓の外には つま先にストッキングが纏わりついた膝下だけの足が。
高いところから落ちる幼児。 マンションから飛び降りた女性。
いずれも一瞬の出来事で、見ているだけの・・・いえ、「 見た 」でした。
事故も事件も 突然の出来事。 把握に数秒かかるのは・・・・私だけ?
そして万が一、堕ちる人の手を掴めても、
大人一人の体重を 一人で助け上げることが出来るのだろうか。
そんな予期せぬ一瞬を 後から正確に思い出せる自信は、ありませんねぇ・・・。
ましてや、関わる人への感情が入ったら、更に不可解な記憶になりそうです。
そんなことを 思い浮かべた映画でした。