『 精神科ER 緊急救命室 』
2010/01/04 22:00:03
都知事の発案でより早く急患に対応すべく急遽開設された「東京ER」。
その精神科は、日々、緊迫した空気に包まれている。
パトカーや救急車でひっきりなしに運ばれてくる患者たち。
父親から捨てられ自殺を図った兄妹。
心のバランスを崩し、深夜の霊園で叫ぶサラリーマン。
「愛が欲しい」と恋人の前で包丁を取り出す女性。
極度の緊張の中、厳しい現実と格闘した 現役精神科医が語る壮絶人間ドキュメント。
備瀬 哲弘 ブログ
精神科医。精神保健指定医。1972年沖縄県那覇市で生まれる。
96年琉球大学医学科卒業後、同付属病院研修医。2002年都立府中病院精神神経科医員。
05年より聖路加国際病院麻酔科非常勤医、JR東京総合病院メンタルヘルス精神科非常勤医などを経て07年8月より吉祥寺クローバークリニックを開設し現在に至る。
日本総合病院精神医学会、日本精神神経学会、日本児童青年期精神医学会などの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
* * * * * * * * * * * * * * * * * * 以上 amazon 商品説明 から * * * * *
精神科医の先生ですが、内容は、小説を読むような 読みやすさです。
疑問に思い、悩み、やってみて、違うと気づけば変え、それでも誠意を持って精一杯やっていく。
説明にある症例を 通して、医者としての自分、現在のシステムへの疑問を常に持ち続けている姿勢
に好感を持てます。
「 なんでも知ってるけど、なんにもできない内科医 」
「 なんでもできるけど、なんにも知らない外科医 」
そして・・・・・
「 何にも知らないし、なんにもできない精神科医 」と大学時代に先輩から聞いたそうです。
確かに、そういう感じ? 他の科をそんな風に思っている医師って見受けられますね。
その逆に、内科から、意見を求められて、「 素人が手をだすな!黙ってこっちへ回せ。 」
という先生も居ます。( こういう先生へ回しても、あまり改善が・・・・と聞いた )
原因がハッキリしている病気・病状は、全体のほんの数割、
治療法が確立している病気は、更に少ないと言われています。
「 原因不明 」で「 治療法が無い 」病気の方が、実は多いのです。
そして、治すのは、医師ではなく、本人。
だから私は、「 何も知らないし、何もできない 」って正直だと思うんです。
「 何でもできる・・・ 」って 切る という点では確かに出来ます。
その場の治癒には、なりますけどねぇ・・・・。
ポリクリ中、実習を通しての感想でのこと。
女子学生の
「 あんなに調子がよかったのに ちょっとした話で急におかしくなってしまうなんて
精神病は難しいし、怖い病気だと思いました。」という発言に対し講師の先生が
「 おかしい、というのは、どういう意味ですか?
『きちがい』とか『おかしい』というふうな言葉を平気で遣う。
深い意味はないと思うかもしれない。
君にしても、そんなつもりで言ったんじゃないんでしょ?
私は、精神科医だから、変に敏感なのかもしれませんね。
でも、皆さんももう少し、敏感になってほしいと思うんです。
軽率な私たちの言葉が、不要な誤解を生み、偏見を強めることもあるんですよ。 」