苦しみはひとそれぞれ
2011/03/22 09:18:06
それが、羨ましいとなると“人をうらやむな”となる場合もあります。
幸せや成功を 人と比べることには比較的寛大な世間の目も、
苦しみや痛みとなると 少々風当たりが違ってきます。
食べ物を残す子に「 世界には、食べ物が無くて死んでいく子もいるんだ 」とか。
贅沢は敵、もったいないという日本の思想からくるのでしょう。
病状を訴える患者さんたちの、その痛みや苦しみを数値化することが出来たら
同じ痛みの数値でも、その表現の強さが違うことが分ると思います。
要は、何をどう受け止めているのか。
そして、自分の現状の中で、最も辛いことは何なのか。
これによって、その人の苦しみの度合いが決まってきます。
37度の熱でも、平気で仕事をする人もいれば、寝込む人も居る。
昔の恋人の結婚を祝える人もいれば、食べることも寝ることも出来なくなる人もいる。
東北地震による被害も様々。
家も何もかも無くしてしまった人、家に異常はないけど物不足が不安で買いだめに走っても安心出来ない人、家は無事だけど多くの家財道具を失ってしまった人、液状化現象で家が傾いてしまった人、ニュースから流れる原発・余震・モノ不足・被害状況を見続けることで何かを保っている人。
誰が最も苦しいと言えるのでしょう。
今、親子関係に苦しんでいる人、進学・就職が決まらなかった人、恋人と上手く行かなくなった人、アレルギーが強く出てしまっている人、今日ガン宣告を受けた人。
何に「 絶望 」を感じるかは、人それぞれ。
苦しみや痛みを 人と比べないで下さい。
「 そんなこと!被災で家や大切な人をなくした人達に比べたら。 」なんて。
「 もっと苦しい人も沢山居るんだから、こんなことで、辛いなんて言っちゃいけないんだ。 」なんて。
自分や人を 責めないでほしい。
苦しみも 喜びも その人だけのもの。
他者とは比べられない その人の中でだけ比べられるもの。
自分の苦しみに蓋をして、後回しにしないでほしい。
人の苦しみを 他の人の苦しみと比較した言動で 更に追い込まないでほしい。
義援金・献血・ボランティア・・・・「 するべき、しなければ 」と自分自身を後回しにしないでほしい。
『懸命に生きる子どもたち』というアジアの子供たちの写真を基に書かれた本の著者;池間哲郎さんは、仰います。
「 最も大事なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きること 」です。