『 ブタがいた教室 』
2009/10/19 20:00:00

出演: 妻夫木聡, 原田美枝子 監督: 前田哲
1990年に大阪の小学校で 実際に行われ賛否両論を巻き起こした
授業を映画化。
6年2組の新任教師の星先生は、ある大胆な授業を計画していた。
それは、ブタを飼って大きくなったら、みんなで食べよう。
生徒たちに生きているものを食べるという意味を考えさせるという目的で、
1年間「食べる約束」で子ブタを飼い始めた。
だがPちゃんと名付けて世話をするうち、生徒たちの胸にさまざまな感情が芽生え始める。
そして迎える卒業式。
クラスを二つに分けた涙の激論の中、26人の生徒たちと星先生が最後に出した「答え」とは・・・
生徒たちの熱いディベートシーンは必見!
主題歌「花のように星のように」をトータス松本が熱唱!

黒田 恭史 (著) ミネルヴァ書房
映画「ブタのいた教室」の原作です。
平成2年~4年にかけて、大阪北部の小学校で、
豚の飼育を通して教育を考え、
命を見なおそうとした実践が展開され、話題となった。
答えを求め続けた900日間にわたる「命の授業」の記録。
教育の現場で「命」をどのように教えることができるのか、経験させることができるか。
本書は、答えを求め続けた900日間にわたる「命の授業」の記録である。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 以上 amazon 商品説明から * * * * *
1990年7月~1992年3月、大阪・豊能町立東能勢小学校の新任教師だった黒田恭史さんは
現在、佛教大学 教育学部 教育学科 助教授 。 HP;黒田研究室
現在も未来の教育者達に 当時のビデオを必ず見せ、考えさせているそうです。
台本は、大人用と子供用に分け、映画での話し合いシーン部分など、
子役達のセリフは、空欄になっていたそうです。
当たり前ですが、子役の話し方が、ドキュメンタリーです。
たぶん書き込まれているポイントとなるセリフは、アレとコレ。と分かるほどに自然です。
小学校6年生が、育ててきたブタについて真剣に考えています。
子役達にも、実際にブタの世話をさせて、それから話し合いのシーンを撮影したようです。
映画では、保護者が苦情しか 言ってませんが、実際には、小屋作りを手伝う父親や
下級生に飼い続けることを 引き継ぐのでは、最後まで責任を持つということにはならないのでは?
という意見を述べる母親も居て、親子でこの問題に取り組んでいた様子のビデオも残っています。
『 家畜からペット化してしまったブタを 飢えてもいないのに 食べるかどうか。 』
結局、これが迷いのポイントだと 紫藤は 感じました。
でも、この問題を通して、みんなが考えたことは、命 とは? ということだけでは、有りませんでした。
常識とは? 差別とは? 責任とは? 死ぬとは? 殺すとは? 食べるとは?
泣いても、状況は変わらない。 可愛そう って言ってるだけじゃ、何も解決しない。
台本に有ったかどうかわかりませんが、最も記憶に残った言葉。
「 先生、命の長さって、誰が決めるんですか? 」
「 ん・・・それは・・・誰にも決められないと思うよ。 」
「 でも、今、みんなで Pちゃんの 命の長さ の話し合いをしてるわけでしょ? 」
* * * * * 以下、妻夫木聡さんのインタビュー記事より * * * * *
「食べるってことはどういうことだろうね」と僕が聞くと、「生きることです」と答えが返ってくる。
さらに「生きるってどういうことだろう?」と問うと、「命をもらうことです」と子どもたち。
「じゃ、命って何だろうねえ? Pちゃんも命だよね。スーパーで買って、食べる豚肉も命?」
と聞いたら、 「命です」って答えが返ってくる。
「じゃあ、どこまでが命だろう? 植物って命だろうか? 動かないけれど……」と僕。
すると子どもたちが「でも、育つから命です」と答える。
「そうか。じゃあ水ってどうだろうね」と返すと、「水は動かないから命じゃないです」答える子どもたち。
そして「 でも、人間の体ってほとんど水でできているわけだし、水だって置いといたら腐ってしまうし、
Pちゃんだって ほかの動物や植物だって 水がないと死んじゃうんだよね。
そう考えると 水も命 じゃないかな……」。
そんなやり取りが続いた後に、ある子どもが
「 じゃ、人間って何なの? 人間って食べられないじゃん 」
と言ったのを 聞いた瞬間、ドキッとさせられたんです。