『 ディア・ドクター 』
2010/04/07 22:07:47
原作・脚本・監督: 西川美和
出演: 笑福亭鶴瓶, 瑛太, 余貴美子, 香川照之, 八千草薫
「 その嘘は、罪ですか 」
数々の映画賞を受賞した 西川監督作品
山あいの小さな村。唯一の医師として人々から慕われていたひとりの医師が失踪した。
警察がやってきて捜査が始まるが、驚いたことに村人は、自分たちが唯一の医者として慕ってきた
その男について、はっきりした素性を何一つ知らなかった。
やがて経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かびあがってくる――。
遡ること二か月。
東京の医大を卒業した相馬は、研修医としてその村に赴任してきた。
コンビニ一つなく、住民の半分は高齢者という過疎の地。
そこで相馬は、伊野という腰の据わった勤務医と出会う。
日々の診察、薬の処方からボランティアの訪問健康診断まで。
村でただ一人の医者として、彼はすべてを一手に引き受けていた。
診療所に住み込み、急患が出れば真夜中でも飛んでくる伊野のことを、村人は「神さま仏さま」よりも頼りにしている。
僻地の厳しい現実に最初は戸惑っていた相馬も、村中から親しげに「先生」と呼びかけられる伊野の献身的な働きぶりに共感を覚えるようになっていく。
ある日、かづ子という一人暮らしの未亡人が倒れた。
彼女は、自分の体がもう大分良くないことに気づいている。
「先生、一緒に嘘、ついてくださいよ」。
やがて伊野が、かづ子の嘘を引き受けたとき、伊野自身が、ひた隠しにしてきた
ある嘘も浮かび上がってくる。
ずっと言うことができずにいた 一つの嘘が――。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * 以上 amazon 商品説明 から * * * * *
「 ゆれる 」に続いて、西川監督作品です。
いや~、この人の脚本、監督、好みです。ww
西川作品、役者の演技力というか、役者の持ち味を 凄く良い感じに出してるな~と思います。
笑福亭鶴瓶の あの笑顔! そしていざという時の躊躇と村にとっての自分を語る演技。
嘘に気づきながらも伊野を支える元:救急の看護師、余貴美子の演技。
彼女は、「おくりびと」でも 独特ないい演技してましたね~。好きです。w
「ゆれる」の兄役とは、全く違う人間像を見せてくれた香川照之さんも 上手いな~。
ラストシーンは、セリフ以外の空間が作られていて、素敵でした。
「ゆれる」もそうですが、ラストシーンは終わりではなく、その後を観てる人に作らせてくれる。
想像力を 掻き立てられる そんなシーンで映画自体に膨らみを持たせている。
「 そっから先は、それぞれのストーリーを・・・・ 」って感じかな。w
でも、1番心に残ったシーンは・・・・
香川照之さん演じる医薬品卸売業の斎門が、刑事さんに伊野に関する事情聴取を受けているシーン。
刑事「 先生呼ばわりされて、拝み倒されるってそんなにいいもんか。
それとも結局、金にいったかな? 」
斎門「 いや~それは・・・・どちらも・・・たぶん 」
刑事「 じゃ~~~なんですか? やっぱ“ 愛 ”ですか? 」
斎門「 ・・・・・・・・・・・ 」
斎門は、イスに座ったまま、イスごとふぅ~っと後ろへ倒れる。
横に居た刑事は、あわてて支え、助けようとする。
刑事「 どうしたの! 」
斎門「 刑事さん、今のは“ 愛 ”ですか?
愛してるわけないですよね、私のことなんか。
それでも、今、この手が出たでしょ。
なんか・・・だから、そういう感じじゃないですか、たぶん。 」