ワールドオープン・ハート
2010/11/11 20:12:00
「 人権NPO WOH(ワールドオープンハート) 」
被害者家族を支援する団体や 被害者やその家族の心をサポートする団体は多く存在する。
しかし、加害者の家族に対して、世間は冷酷ではないだろうか。
ある日、突然 パートナーが殺人者となった。
自分の子が、犯罪者として逮捕された。
ある日突然、被害者となった時や 自殺された時 その辛さや痛みは計りしれない。
そのことは、他者からも同意を得るのは難しくないだろう。
加害者家族に対しての他者の言動は、どうなんだろう。
本人だけでなく、その家族の責任もある。という考え方が強いように思う。
確かに 家族という社会の核が健全かどうかは 大切な問題だ。
では、健全なら、絶対に犯罪を起こすことはないのか。
不健全なら、絶対に犯罪を起こすことになるのか。
父親が酒の勢いで口論し、人を殺めてしまった。
その小学生の息子は、友人に「 人殺しの子 」と呼ばれ、学校からは転校を強要される。
昨日まで笑顔で挨拶していた近所の人の態度が変わり、マスコミにあれこれと話をしている。
あなたが、この加害者家族の一員だったら・・・・・
「 ワールドオープン・ハート 」を立ち上げた阿部恭子さんは、13歳の頃
大学院生だった在日韓国人のKさんの福祉活動に興味を持ち、手伝いをしていたそうだ。
様々な理由で学校に通うことができない子どもたちに勉強を教えるボランティア先で
ある男の子が別の男の子を指差し「 あいつのお父さん、人殺しなんだぜ 」と言ったそうです。
阿部さんは、指差された子に思わず恐怖心を抱いてしまったと言います。
「 私、あの子が怖い。だって、あの子も将来、人殺しになるかもしれないでしょ? 」
「 じゃあ、君も、将来はお父さんやお母さんと同じようになるというわけ? 」
「 わからない・・・・・。お父さん、お母さんと同じようになるかもしれないけど
ならないかもしれない。 私には、わからないなあ。 」
「 だったら、あの子もそうじゃない?
お父さんのように人殺しになるかもしれないし、そうならないかもしれない。 」
こんなやり取りがあって、
この子のお父さんが人を殺したのなら、お母さんはどうなったんだろう?
人殺しの子になった、この子はこれからどうなるんだろう。
と考えるようになったそうです。
被害者と加害者。
その家族や深く関わっていた人達。
一人の加害者が生み出すものは、一人の被害者だけでは無い。