『 あな 』
2010/06/14 18:55:34

福音館書店 (1983/3/5) 32ページ絵本
日曜日の朝、
何もすることがなかったので、ひろしは穴を掘りはじめた。
誰のものでもない、自分だけの穴……。
子どもも大人も引き込んでしまう世界です。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * 以上 amazon 商品説明 から * * * * *
穴を掘っていると お母さん、友達、妹、お父さんが順番にやってきて一言づつ言います。
それでも、掘り続ける。
すると、また皆、やってきて、一言づつ。
穴を掘り続ける・・・・それが、私には自分の中へ 中へと入っていく作業に見えました。
その穴の中で、顔を覗かせた生き物、穴の中に座り込んで 見上げた外。
「 穴があったら入りたい 」って言葉がありますが、人間って、何かあると
外界を遮断してしまいたくなる時ってありますよねぇ。
それは、具体的にどんな時? どんなことが起こった時?
そして、実際にそうしたイメージの中で、どう感じるか。
そんなことを 感覚的に体験できる絵本かも しれません。
穴の中に座った感覚・・・・土の湿度、温度、外界の音、穴から見える切り取られた外界。
無心に掘っている時に かけられた それぞれの言葉。
催眠療法で、インナーチャイルドに逢って頂く時、私は階段を降りて頂いてます。
「降りる」というイメージは、意識の下へ降りていってもらうイメージで使うのですが、
多くの人は、良いイメージは 持たないようですねぇ。
・・・・・降りるってやめようかと 思うくらいww
でもね、結構、自分の心の奥の方は 放ったらかしだったと気づく人もいらっしゃいます。
私も初めて「降りた」時は、モノトーンの殺風景な地下室でした。(笑)
木の机が1つだけ あったような・・・・あとは、コンクリ打ちっぱなし。みたいな。
心の奥深く、穴でも、階段でもいいから 降りてみて、そこを明るく暖かいイメージの場所に
するってのも、自分を優しく扱ってあげるのに 役にたつような気がするんです。