『 花をかう日 』
2010/09/07 20:32:39
ポプラ社 (1999/06) 47ページ 商品寸法: 23.8 x 18 x 1.4 cm
目の見えなくなったおねえちゃんの誕生日に、
まこは、いいにおいの花束をあげたいと思いました。
障害をもつ姉との心の交流を描く。
おととしの春、病気にかかり目が見えなくなったユミねえちゃんは、沈んでいたけれど、盲導犬のシェピィが来て、だんだん元気になってきた。
ユミねえちゃんの誕生日に、まこはいい匂いの花をプレゼントしようと…。心の贈り物。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * 以上 amazon 商品説明 から * * * * *
妹のまこちゃんは、おねえちゃんが病院から帰ってきた日、目が見えなくなったおねえちゃんの前で、大声で泣き続けてしまった。
ひどいことをした・・・・そんなひどいことをしたってこと、おばあさんになるまで忘れないからね。
そう、まこちゃんは、思う。
果たして、ひどいことだったんだろうか。
泣いているまこちゃんの前のおねえちゃんの表情は、描かれていないけど
泣けないくらい辛い時に、誰かが、何も言わずに思いっきり泣いてくれる。
感情を抑え込んでいる時に、解放する手助けになったかもしれない。
その後、おねぇちゃんは、夜がこわい、朝がこわい、風の音も、雨の音も、足音も
はなし声も、笑い声も こわいと泣くようになる。
盲導犬が来てから、少しずつ変わっていく様も 大げさでなくゆっくりとした速度で書かれています。
ガンで片足を切除した私の叔母と電話で話していた時、「 電車に乗ったんだよ~! 」
と嬉しそうに話してくれた時、まだ若かった私は、「ふ~~ん」とあまり驚かなかった。
その反応にひどくガッカリした叔母から、片足で出歩く苦労と他者にかける負担、
それが気になって能動的になれないことを聞いて、初めて、「 あ! 」と気づかされました。
障害によって、どんな思いをしているのか、こまごまとした事は気がつかないものかもしれない。
それは、悪いことではないとも思う。
教えてもらい、気づくことはできるし、同じ障害でも苦痛に感じていることは違うかもしれないのだから、勝手な思い込みで決めつけるよりは良いのかもしれない。
分った気になって、先回りするより、その人の気持ちを聞くことが大切なのではないかな。